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2007年04月30日

浅田次郎 『憑神』 新潮文庫

江戸は深川。時は幕末。

貧乏御家人神頼み。

ところがどっこい何の因果が祟ったか

神は神でも霊験あらたかな貧乏神様のご登場!!!

と、いうわけでなんだか不幸な主人公・彦四郎の登場です。

文武両道で良い婿入り先を見つけたものの

嫡男が生れたとたん邪険に扱われ

果ては屋敷から追い出されてしまう。

出戻った家には気の強い兄嫁と暢気な兄と老いた母がいて

汲々とした生活を送っていた。

軽い気持ちで神頼みをしたもののなんと出てきたのは

貧乏神で・・・・。

笑えるだけのお話じゃなくって、

懸命に生きるサムライの姿にラストは目頭が熱くなります。

ちなみに映画『憑神』のホームページはコチラから。

原作が大変面白かったので映画の公開が待ち遠しいです。

彦四郎を慕う小文吾の持つユーモラスさや

兄・左兵衛の暢気なようでいて近代的なものの見方、

蕎麦屋の親父や団子屋の親父の渋さ、

それからチャーミングな神様達がどのように描かれるのか

とっても楽しみです。映画公開は6月23日予定ですー。

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 11:46| オススメ本!

2007年04月29日

荻原浩「千年樹」

戦国時代から現代まで。

時代が交錯して紡がれる千年の物語。

樹齢千年のくすの木が見続けてきた人の営み、生と死。

生き物の廻り次へと繋がる生命の環。

うつろいゆく人の世と古木の不気味さをまとう威厳、重ねてきた年月の重さを

対照的に重厚に描いた荻原浩の最新刊です。

狙うは今度こそ直木賞…?

 

 

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 09:01| オススメ本!

2007年04月28日

西加奈子「しずく」

西加奈子さん初の短編集。

なんとも異色、2匹の猫から見た人間の別れを描いた「しずく」が良かった!

イラストレーターと、小説家の仲の良い恋人が互いの仕事の成功を

機にすれちがい、別れてしまう様を

おしゃべりな猫、フクさんとサチさんが見ているんですが、

猫だけに人間のような事情やらなにやらとは関係ありません。

ありのままを余分なフィルたーなしで見届けているので、

「別れ」がとても浮き彫りになっているんですな。

最後に涙する彼らがさびしい…。

しかし、なんといってもこのフクさんとサチさんはおかしかわいい。

 

♪只今、限定で特製ブックカバー付きで発売しております。

とってもかわいいカバーなので、お早めにお求めくださいませ。

なお、無くなり次第終了となります。

 

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 18:40| オススメ本!

2007年04月27日

難波教行「たとえば、人は空を飛びたいと思う」

難病ジストニア:筋肉が不随意に収縮し、身体のコントロールを失う病

 

幼少のころに発病し、回復するまでの12年間がいかに厳しかったか…

なんて、そんなことだけを語る手記ではないのです。

もちろん闘病中の難波さんの言葉から考えさせられるところは多々ありますけども、

それ以上にエネルギーに溢れた手記です。

健常者、障害者そんな区別なく、表紙の難波さんのように

満面の笑顔で生きていくための一つの生き方が語られているように思うのです。

 

現在、難波さんは京都・大谷大学大学院に通う学生さんです。

 

 

 

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 11:45| オススメ本!

2007年04月26日

鳥飼否宇 『中空』 角川文庫

滅多に開花しない竹の花が開花すると聞いた植物写真家の猫田は

かつての先輩・鳶山とともに辺境の地・竹茂村を訪れる。

そこで暮らす人々は竹を様々に加工し生計を立てていたー。

しかし、その村で次々に殺意人事件が起こる。

果たして真相はー?!

や。ややや。なかなかに面白いじゃないか!と思って読んでいると

ラスト付近になってスリリングな推理が展開されて驚きました。

『中空』は第21回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作品なのですが、

この時のミステリ大賞は『長い腕』が受賞しております。

そちらも大変面白いのいでぜひあわせてどうぞ!

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 16:37| オススメ本!

2007年04月24日

福井晴敏 『6ステイン』 講談社文庫

防衛庁情報局。

その存在を秘匿された組織は通称「市ヶ谷」と呼ばれていた。

市ヶ谷は正局員の他にAPと呼ばれる工作員を擁しており、

APは他に正業を持ち、普段は市井の人々と変わらぬ生活を

送っていた。

そのAP達の活躍を描いた6つの物語なのですが、

組織の末端に位置し、不実に生きるか誠実に死ぬか懊悩する

人々の等身大の姿が描き出されてグッとくるものが!!

ステインって染みのことですよね。

じわじわと広がってぬぐうことのできないもの。

読後感にぴったりのタイトルだなぁって思います。

ちなみに!番外編のコミックも発売中!

「920を待ちながら」に出てくる松宮の娘さんと

工作員の如月行の物語。

絵がとっても綺麗でしたー。

『6ステイン』とあわせてどうぞー!

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 14:02| オススメ本!

2007年04月22日

津原泰水 『蘆屋家の崩壊』 集英社文庫

ドラキュラ伯爵と綽名される怪奇小説作家と

三十路を越え未だ無職の猿渡。

お互い「豆腐」好きであることが縁で親交を深めているが

彼らは行く先々で怪異と遭遇する。

歯切れのいいというか、リズムのある文章というか、

とにかく面白い文章で、すらりすらりと読めてしまいます。

ちりばめられたユーモアと飄々とした雰囲気と、

あっという間に現実が非現実に変わる驚きの展開。

胸をはって万人に勧められるかというと否なのですが、

たまらん人にはたまらんだろうなぁというどうにもこうにもな魅力があるのです。

そんでもって一度その魅力に捕らえられるとドツボですな。

何度も読み返したくなってしまう、どうにも気になってやまない1冊です。

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 12:24| オススメ本!

2007年04月21日

畠中恵「まんまこと」

お江戸は神田町が舞台。

立派な町名主の父を持つ麻之助は、

あるときまでは、それはそれは両親も周りも自慢の立派な跡取息子だった。

ところがとろが!

一体何があったものやら、今や22歳の麻之助はそれはそれはお気楽で太平楽な

跡取息子となって、幼馴染の清十郎や同心見習の吉五郎とふらりふらりと

日々を過ごす始末。

それでも一応は名主名代の麻之助の元には、

奉行所に頼るほどではない、けれども町民にとっては真剣な相談ごと(イザゴザ)

持ちかけられる。

果たしてお気楽息子が下すお裁きやいかに?!

ふうわりほのぼのな結末がとっても気持ちのいい作品です。

また麻之助たち登場人物の人間関係図にも注目。

「大岡越前」下町バージョンで月9ドラマ(?)時代バージョンの

畠中恵さん新シリーズです!

期間限定のまんまことサイトへも行ってみてくださいませー。

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 18:48| オススメ本!

2007年04月19日

恩田陸 『Q&A』 幻冬舎文庫

郊外のスーパーマーケット「M」で起こった惨劇。

死者69名、負傷者116名を出す大惨事だが、

その事態が起こった原因が何かが特定できない。

関係者からの証言を集めるが、核心に迫ることができない。

息のできない閉塞感と静に迫ってくる圧迫感。

読者の想像力を刺激してやまない1冊です!!

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 17:02| オススメ本!

2007年04月18日

今邑彩 『よもつひらさか』 集英社文庫

奇妙で怖い、日常にひそむ悪意、

どこかがおかしいのに、どこがおかしいのかわからない、

不気味なのに目を背けられないそんな12編の短編集。

とっても読みやすくてすいすい読めちゃうんですが、

ところどころ落とし穴みたいにゾッとする場面が!!!ぎゃあ!

こんなことがあったら嫌だなぁ、こういう展開にならなきゃいいなぁ

思う方向へまっしぐら。

軽く楽しめるホラー短編集なんですが、

でも、時々ふとした拍子に思い出して

じんわりと怖くなるような、奇妙な味わいのある物語。

ぜひぜひ体感してみてくださいな。オススメです。

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 18:14| オススメ本!

2007年04月16日

乙一 『小生物語』 幻冬舎文庫

12月10日

今日は風呂に2回も入った。

どこでもドアでやってきたのび太くんに出会う確率も2倍だった。

小生、危ないところだった。

なんて、どこまで嘘でどこまで本当か

わからないような乙一さんのゆるーい日記が文庫になりました。

まえがきをよくよく読んで

ぜひともブルーバックスをお買い求め下さいませー。

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 11:15| オススメ本!

2007年04月15日

電撃文庫ムービーフェスティバル♪

電撃文庫の人気タイトル3作品が映画化になります。

4/21から公開予定なのですが、

実はこの電撃文庫ムービーフェスティバルのチケットが

手元に2枚あるのです。

せっかくなのでお客様にプレゼントしようと

思うのですが、普通に抽選じゃあつまらない。

と、いうわけで、『POPを書いてチケットをゲットしよう』フェア開催中です。

・・・あー。見えにくいですな。

詳しくは店頭でご覧いただきたいのですが、

応募用紙にご住所、お名前、お電話番号の他に、

映画化される『キノの旅』『いぬかみっ!』『灼眼のシャナ』の中から

お好きな作品を一つ選んで、 POPを書いて下さいな

抽選で1名(1組2名様分)の方にムービーフェスティバルの

チケットを発送させていただきます♪当選者の発表は

発送をもってかえさせていただきます。

・応募いただいた作品は返却できません

・応募いただいた作品は店頭で使用する可能性もございます。

・頂いた個人情報は抽選および賞品の発送のみに使用いたします。

締め切りは4/21までです

以上ご了承頂ける方のみご応募くださいませ!お待ちしております!

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 17:01| オススメ本!

2007年04月14日

文芸書オススメ通信2007年4月号

ちょいと遅れましたが、今月も文芸書オススメ通信のご紹介。

今月のオススメは。

浅田次郎「月島慕情」

 

上橋菜穂子「獣の奏者 T闘蛇編 U王獣編」

 

日本国民ならば欠かすことなんて出来ないでしょう!

「月島慕情」はこれぞ!というべき浅田次郎先生の真骨頂。

そして上橋菜穂子さんは今年間違いなく来る!と思ってる作家さんです。

児童書作家さんなのですが、この方はを子供だけに独り占めされるのは

とんでもなく悔しい!

ファンタジーと聞いて逃げ腰になるなかれ。

大人も夢中になるファンタジー、あります。上橋菜穂子です。

新潮文庫から「狐笛の彼方」「精霊の守り人(以下シリーズ続刊)」も発売中です。

 

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 11:21| オススメ本!

2007年04月09日

海堂尊「ジェネラル・ルージュの凱旋」

将軍(ジェネラル)キターーーーーー!!

『ナイチンゲールの沈黙』から速見いいなぁと思ってたのですよ!

そんな私の期待に応えてくれるかのように、東城医大シリーズ第3巻の主役は

救急ヘリの設置を悲願とする将軍(ジェネラル)・速見。  

よもやあの「ナイチンゲール」事件と同時期にこんな内部のゴタゴタがあったとは!

将軍の癒着問題をめぐるという地味な主軸なのにこの牽引力。

『チーム・バチスタの栄光』を思い出す楽しさでした。 

イヤミと回りくどい言い方があふれる会議場面が、おどろくほど楽しかった。(笑)

殺人事件とかなくても、医療現場ってまだまだたくさんの問題があるんだなぁと、

医療現場の混沌とした秩序とかを少しでも目にすることができるというのは貴重!

 4巻がすでに楽しみだー!お次は一体どんな展開になるのかワクワク。

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 16:29| オススメ本!

2007年04月08日

樋口有介 『風少女』 創元推理文庫

久しぶりに故郷に帰ってきた斉木亮は

かつて好意を寄せていた同級生・ 河村麗子が亡くなった事を

麗子の妹・千里から聞かされる。

麗子の死が浴槽での事故死だったことを知り、

彼女の死に疑問をもった斉木は千里とともに

かつての同級生達を訪ねてまわる。

ただただ明るいだけではない「青春」の挫折や鬱屈を

ユーモアと軽妙さでくるんだ青春ミステリー!

法月綸太郎の解説がとっても分かりやすくて

良い文章なので読もうかどうか迷ってるあなたはぜひ解説から

チェックしてみてください!

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 13:50| オススメ本!

2007年04月07日

島本理生「大きな熊が来る前に、おやすみ」

「ナラタージュ」でファンになった方も多いのではないでしょうか。

島本理生さん最新刊登場です!

書き下ろしを含む島本さんの新刊とさらにその表紙が酒井駒子さんとあっては

喜ぶなという方が無理な話。

相変わらずの島本さんの年齢に似合わぬ(もちろんこれは誉めてるのですよ!)

落ち着いた文章と完成度の硬さに惚れ惚れしちゃいました。

この方は長編もダントツにいいのですが、

短編もそれはそれは上手いのです!!

好きな人とふたりで暮らすということによる不安と恐れと幸せを、

3組の恋人たちを通して描いた短編集。

芥川賞候補にもなった表題作ももちろん良いのですが、

私のオススメはやはり書き下ろしの「猫と君のとなり」。

島本さんの実力をもう一度実感して欲しい1冊です!

 

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 19:36| オススメ本!

2007年04月02日

宮城谷昌光 『青雲はるかに』 新潮文庫

戦国時代末期。

魏の国に范雎とうい説客がいた。

才はあるがそれを生かす時も場所もなく

苦境にあった范雎だが、

鄭安平という得がたい友を得る。

彼の妹が足を患っていると聞き、

己の身を売ってでも薬代に代えようとするが・・・。

後に秦の宰相まで登り詰める范雎の

苦難に満ちた生涯を描ききった力作!!!

特に下巻に「長平の戦い」は圧巻。

圧倒的な筆力で描かれる戦国期最大の戦い。

鳥肌が立ちますよ!!

posted by 三省堂書店 京都駅店 at 16:01| オススメ本!